自転車でお尻が痛い初心者に見て欲しい!お尻が痛くなる原因と解決方法

初めてのスポーツ車でお尻や手が痛いと言う初心者の為に、お尻や手が痛くなってしまう原因と、お金をかけずに解決する方法。サドルカバーやサスペンション付きシートピラーへ逃げてはいけない理由などを詳しく解説します。

 

目次

 

はじめに

自転車でお尻や手が痛くなってしまうのは当たり前です。サドルの上にお尻を載せて、ペダルを漕いでいるのですから当然擦れて痛くなりますし、路面からの振動をお尻や手で受け続けるのですから、手やお尻は痛くなります。

そこで、多くの方が「お尻に来る振動を減らせば治る」と考えて、ブヨブヨしたGEL入りのサドルカバーを取り付けたり、サドルの下のシートピラーをサスペンション付きの物に交換したりするのですが、これは大きな間違いです。

GEL入りサドルカバーやサスペンション付きシートピラーがダメな理由

GEL入りサドルカバーがダメな理由

お尻に来る振動を減らす事で全てが解決するのであれば、GEL入りのサドルカバーは正解かもしれませんし、数分~数十分しか自転車に乗らないのであれば、これで解決する可能性は非常に高いのですが、長時間のライディングをするとお尻全体が圧迫されてしまい、血流が悪くなってしまう事や、カバーがサドルの上で動いてしまい、お尻の位置が安定せず、ペダリングもおかしくなって、かえって擦れによる痛みが酷くなります。

そして、これの一番悪い所は取り付けた瞬間から乗り心地がとても良くなりますから、お尻が痛む本当の原因が解明されないまま長時間や長距離のサイクリングができない人になってしまうのです。

サスペンション付きシートピラーがダメな理由

初心者へ乗り心地が良いと思わせる為に初めから装着されている自転車もありますね。

路面から大きな衝撃があった時だけ作動してくれるようなタイプなら良いのですが、入門用自転車に取り付けられている物や、尻痛解消の為に初心者の方が購入するグレードのサスペンション付きシートピラーは、サドルとペダルの距離がその都度変わってしまう事と、サスペンション部分の精度が悪く、サドルが左右に動いてしまう為、GEL入りサドルカバーと同じような結果になってしまいます。

 

少し我慢が必要かも?

この記事を、スポーツ自転車を入手した直後に見ている方や、手に入れてまだ数回しか乗っていないと言う方は、2週間から1ヶ月程度は我慢をして下さい。

まず、スポーツ車の基本的な操作もスムーズに出来ていないはずで、姿勢もガッチガチになっているでしょうし、スポーツ車に乗る体やお尻が全くできていませんから、焦らずにお尻が痛くならない程度の距離を乗るようにし、少しづつ走る距離と時間を伸ばしながら、最低でも下の3つはマスターして下さい。

 

サドルの高さを適切にセットしよう

「お尻が痛いので良いサドルはありませんか?」と質問される方の半数以上が、想像を絶するサドルの高さになっています。

サドルが低すぎる方は「足がしっかり地面に付いた方が安心だし、信号で止まる時に楽だから」と言う理由が多く、サドルが高すぎる方は「サドルが高い方が良く進むから」と言う理由が多いです。

この場合、お尻が痛くなってしまう原因がサドルでないのは明らかですが、見て見ぬふりはしたくない。しかし、高さの合わせ方を教えてしまうと売り上げが0円になってしまいますから、サドルの購入を考えている方は、お店に自転車をもって来ないで頂くか、店員から見えない所に自転車を置いてきて下さい。切にお願いします。m(__)m

それではサドル高さのセッティングを行いましょう!!

良い例

サドルの赤い点の部分にお尻の骨が乗るように座り、一番下に下ろしたペダルの上に踵(かかと)を乗せ、膝(ひざ)がピンと伸びる位置にサドルを設定します

サドル高さの良い例

悪い例(サドルが低い)

一番下に下ろしたペダルの上へ踵(かかと)を乗せた時、膝(ひざ)が曲がってしまっています

サドル高さの悪い例1

サドル位置が低いとペダルが上支点にある時、腿(もも)がお腹につっかえて漕ぎ難くなり、膝(ひざ)が上がりすぎる為にペダルに力が入れ難くなってしまう事と、骨盤が前後に揺れ、結果サドルに骨をグリグリ押し付ける形となります。

自転車を専門店で購入された事のない親御さんで、「うちの子しょっちゅう転ぶから…」と、言われる方の殆どがこのパターンです。

自転車は速度が出る事で直進安定性が高まる乗り物ですが、転ぶと危ないからと言う事で地面にシッカリ足が届くようにサドルを低くセットしてしまうと、ペダルに力を入れる事ができない為に安定感がなくなり、フラフラしてしまいます。

速度が遅い時はハンドルでバランスをとって倒れないようにするのですが、膝(ひざ)が上がり過ぎている為にハンドル操作がスムーズにできず、転んでしまうのです。

悪い例 (サドルが高い)

一番下に下ろしたペダルの上へ踵(かかと)を載せる事ができない。

サドル高さの悪い例2

サドルの位置が高いとペダルが下支点にある時、膝が伸びきってしまいます。

サドルを高く上げ過ぎていると、普通に考えたら足がペダルから離れてしまいそうですが、それは怖いので、無意識のうちに伸びた足の側にお尻を傾けて対応させようとします。

そうやってお尻をサドルに擦り付ける事で尻痛をわざわざ作っているのです。

サドルを高く上げて立ち漕ぎをしているような状態を作り出せば、全体重をペダルに載せる事ができ、自転車が良く進むようになるのは分かりますが、関節を完全に伸ばしてしまうと、次の屈伸運動をするまでに無駄な時間がかかりますし、片側のペダルに全体重が乗っている為、反対側のペダルを踏む時にはそれを持ち上げる為の無駄なパワーを必要としてしまいます。

瞬間的なスピードは出ても持続力は無く、結果的に平均速度は遅くなってしまいますし、お尻も痛くなってしまいます。

クロスバイクなどで長期間そのようなセッティングを行っている方がロードバイクを購入されると修正がとても大変で、どちらかと言うとマイナスからのスタートと言う感じになってしまいますから、できるだけ早い段階で普通のセッティングに戻して頂いた方が良いと思います。

 

ライディングフォームを見直そう

サドルの高さは合っているのにお尻や手が痛むと言う方は、自転車の乗車姿勢に問題がある場合が多く、典型的な悪い例がこちらです。

自転車乗車姿勢の典型的な悪い例1

腕はピンと伸ばし、お腹を前に突き出すような形で上体をそらし、肩に首を乗せるような姿勢です。

この姿勢で乗っていると上半身はとっても楽なので、大半の方がこのような乗車姿勢になってしまいます。

自転車乗車姿勢の典型的な悪い例2

ところが、肘(ひじ)がピンと伸び、手に上半身の体重を載せてしまっている為にハンドルからの衝撃や振動を吸収できずに手が痛くなり、お腹を前に出しているように見えるのですが、実はお尻をサドルへ押し付けてしまっている為、当然お尻も痛くなってしまいます。

健康診断後に運動不足解消のため自転車を始める方が多いのですが、お医者さんがスイミングやサイクリングを進めるのは関節などに負担が少なく全身運動になるからです。

このフォームでは太ももの大きな筋肉を動かしているのは良いのですが、全身運動にはなっていませんし、有酸素運動は軽い運動を長時間行う事で効果が出るのに、お尻や手が痛くて長時間乗れませんから、それでは結果にコミットする事が出来ません。

自転車乗車姿勢の典型的な悪い例3

そこで、ほんの少しで構いませんからフラットハンドルの場合は肘(ひじ)を外側へ。ドロップハンドルの場合は肘(ひじ)を下側へ曲げます。

次にお腹を少し引っ込ませます。※凄い前傾姿勢にする必要はありません。

頭は上半身と同じくらいの角度にして、眼だけを上目遣いにし、進行方向を見つめます。

これで、サドル、ペダル、ハンドルに体重が分散され、路面からの振動や衝撃にも対応でき、お尻や手の傷みが大きく解消されると思います。

自転車乗車姿勢の良い例

基本的なライディングフォームができましたら、先ほどの上半身の姿勢のまま手首を90度曲げて手の平と指をピンと伸ばし、爪でグリップに載せ、先ほどよりも少し前上半身を前傾させます。

きっと指が折れそうになっている事と思いますが、今現在、指の負担を減らす為にお臍(へそ)の下の腹筋に結構ちからが入っているはずです。

その腹筋に力をいれたまま普通にグリップを握って貰うと、ハンドルに体重は乗らず、グリップは軽く触れている程度で操作できると思います。

トイレの姿勢が自転車乗車姿勢の良い例

トイレで大きい方をする時に、下腹に力を入れて踏ん張ると思いますが、その姿勢です!!

ずっと下腹の腹筋に力を入れ続ける必要は無いのですが、意識を下腹の腹筋に持って行く事で腹筋、背筋など使った全身運動になり、効率良く有酸素運動ができるとともに、お尻の痛みや手の痛みも同時に解消できると思います。