外装ギヤ付の自転車を手に入れたら乗り出す前に必ず知って欲しい変速機と変速の方法

スポーツ自転車を取扱う販売店であれば、店を出てすぐにお客様が怪我をしない為に、前後外装ギヤ付きの自転車を販売する際には必ず説明する事ですが、個人売買や中古車、量販店などで購入された場合、乗り初めてすぐ怪我をしてしまわない為にもぜひ覚えておいてください。

 

目次

 

外装変速ギヤの変速機について

外装変速ギヤの変速機について

自転車に付いている変速装置はDerailleur(ディレーラー)と呼びます。細かい説明が面倒臭いので普段は変速機と言ってしまいますが、その名の通り、【derail】(脱線させる)装置です。

実際に手でペダルを回しながらフロントのシフトレバーを操作すると良く判りますが、ディレーラーが無理やりチェーンを捩曲げて、隣のチェーンリングへチェーンを脱線させています。(フロント側がとくに判り易いと思います)

そのような装置を使うのはチェーンにとって良い訳がありませんし、安全に脱線をさせるなら、自転車から一度降りて、手で載せかえるべきです。(実際に大昔の自転車はディレーラーが無かった為、手で載せかえていたそうです)

しかし、ギヤ比を変えるためにわざわざ自転車から降りるのも大変ですし、チェーンを脱線させずにギヤ比を変える事のできる内装変速機(後車輪の軸に仕掛けが入っています)を搭載すると、自転車の総重量がとても重たくなってしまいます。

長距離走行向きの自転車は、出来るだけ車重を軽くする為に、脱線させる事によるチェーン、スプロケット、チェーンリングのダメージや、チェーン外れなど、トラブルが増えるデメリットよりも、軽快に走れるメリットの方を優先して、外装変速機が使われてます。

 

変速時のペダリングについて

自転車には自動車やオートバイのようなクラッチと言う変速時のショックを軽減してくれる装置は無く、ディレーラーで無理やりチェーンを脱線させ、大きさの違うギヤの歯に乗せ換える仕組みになっていますから、変速レバーを操作する際には、ペダルにかかっている足の力を抜き、完全にチェーンの脱線が終わるまで軽くペダルを回してあげなければなりません。


※ ママチャリなどに使用されている 内装変速機付き自転車の場合は、外装変速機付きとは反対で、ペダルを回している状態で変速をすると、内部の破損に繋がりますから、必ずペダルを漕ぐ足を一旦止めてから変速を行って下さい。


自動車やオートバイで言うクラッチの換わりに、人間の方が変速をスムーズに行えるように調節をしてあげる事で、チェーン外れやチェーン切れを起す確立が大きく減ります。

数週間使用していると、どのタイミングで変速がスムーズにできるか?やどの程度の負荷までならスムーズに変速できるか?と言う事が体で解ってくるのですが、スポーツ車が初めての方はとくに要注意です。

ギヤ付き自転車のチェーン切れ

「自転車を買ったばかりなのに直ぐチェーンが切れた」と言う初心者の方がとても多く、100%とは言えませんが、「説明を聞いていればそんな事にはならなかったのにね。」と、いつも思います。

本当は自転車が免許制になって教習所などが出来てくれると良いのですが、そうではありませんから、今の所「商品の説明」「自転車の組み立て」「乗り方・使い方・メンテナンスの指導」「点検・修理」等ぜんぶひっくるめてが、自転車屋で自転車を買うと言う事なんだろうと思います。

その辺りが家電などとは大きく違う所ですね。

立ち漕ぎや、チェーンのたすき掛け、ペダルに負荷を掛けながらの変速。
段差等でチェーンが暴れた時の変速は絶対に止めて下さい。

そもそも、立ち漕ぎしなくて良い為や、ペダルや足に負荷を掛けなくて済むように多段変速の自転車を購入しているはずなのですから…。

切れてしまったチェーンを新しくする金額は大した事ありませんが、負荷の掛けすぎでチェーンが捩じれて切れ落ち、急にチェーンが無くなると、ペダルが急に空回り状態となり、ペダルから足が外れてバランスを崩し、確実に転倒や事故に繋がります。

自転車を使い始めて暫くは「変速ではなく脱線」、「脱線が上手く行けば幸い」と言う感じで慣れるまではダマシダマシ操作を行って頂ければと思います。

また、右側のシフトレバーで操作する後側のギヤはスプロケットの歯数差が少ないですから、チェーンがたすき掛けになる組み合わせ以外ではそれほど慎重にならなくても平気ですが、左側のシフトレバーで操作をする前側のギヤは歯数差が大きく(チェーンが移動する幅と高低差が大きい)、その分、チェーンの負荷も大きくなりますから特に気を使ってあげて下さい。