自転車屋が教えてくれなかったシフトレバーの操作方法

自転車のギヤの操作は実は簡単なんです。自転車屋が教えてくれなかったシフトレバーの操作方法と、左右のシフトレバーが逆の動きをする理由についてを解説します

 

目次

 

はじめに

スポーツタイプの自転車を購入すると、「チェーンが斜めになる組み合わせは使わないように」とか、空気の入れ方、サドルの高さの調整ぐらいはしてくれたり、教えてくれたりするのですが、 シフトレバーの操作方法まで説明をしてくれるショップは殆ど無いと思います。

そもそも、「なぜ左右のシフトレバーが違う動きをするのか?」と言う事を知らない自転車店が大半である事と、たとえ知っていても、これを説明し始めると自転車1台を納車するのにかなりの時間がかかってしまいます。

しかも、納車する時点で既に自転車は売れている訳ですから、説明をしてもしなくても売り上げに影響はありませんし、そのうち何となく使えるようになる事ですから、出来るだけ説明の手間は省きたいと言う所だと思います

何年か使用していれば、頭では理解していなくても、なんとなく上手に使えるようになってくるのですが、知っていればその日から誰でも上手に使えるようになりますから、是非覚えておいて欲しい事柄です。

 

左右シフトレバーの動き

まず、実際に自転車のギヤを操作して頂くと、気づかれると思いますが、左右のシフトレバーは逆の動きをします。

フラットハンドルでは一般的な、親指と人差し指で操作するラピットファイヤーシフトレバーを例にすると、

  • 右側は、親指で後ろギヤが軽く、人差し指で後ろギヤが重たくなります。
  • 左側は、親指で前ギヤが重く、人差し指で前ギヤが軽くなります。

普通、もの作りをする人間であれば、初心者の方でも直感で使い方が分かるようにする為や、販売するお店も説明が簡単で済むように

  • 親指はギヤが軽くなる。
  • 人差し指はギヤが重たくなる。

このように、左右のレバーが同じ動きをするように作るのが自然なのですが、
一部のモデルを除いて、ロードバイクの「STIレバー」。グリップを捻って変速する「グリップシフター」。クロスバイクやMTBに使用される「ラピットファイヤーレバー」の何れも左右のシフトレバーは逆の動きをします。

ここまでだと「凄く不親切な作りだなー」と思うのですが、これには大きな理由があって、のちに「凄く親切だなー」に変わると思います。

 

変速の数と組み合わせ

自転車のギヤの数は、3x8=24段変速。3x9=27段変速。2x10=20段変速。と言うように、前x後の合計で○○段変速と言われます。

ところが、自動車やオートバイのようにギヤの比率が横一列に並んでいる訳ではなく、前3段x後ろ8段の24段変速を例にすると、8段で一組になっている物が少しずれて縦に3つ並ぶ形となります。

 

シフトレバーの操作

まず、スピードがゼロの時には一番軽いギヤ(1-1)を選択してペダルを漕ぎ始めるのですが、スピードがあがるとペダルが空回りしてしまいますから、徐々にギヤを重たくして行きます。

(1-8)まで使い切ってしまうと、もう少しギヤを重たくする為に、前のギヤを1段重たくします。

今までは10%~15%程度の比率でギヤの重たさが変わっていたのに、前のギヤを変えて(2-8)に入ってしまうと、30%以上ギヤの比率が変わりますから、一気にペダルが重たくなってしまい、ペダル回転数が追いつかずに失速してしまいます。

そこで、前のギヤを1段重くした時には、後ろのギヤを2段軽くする事で、比率の差を解消する事ができ、ペダルの回転数を一定に保つ事が出来るのです。

そして、その先の(2-6)から(2-8) まで使い切ってしまうと、もう少しギヤを重たくする為に、更に前のギヤを重たくします。

前のギヤを変えて(3-8)に入ってしまうと、また同じようにペダルが重たくなってしまいますから、後ろのギヤが(3-6)に入るように2段軽くするのです。

感の良い方ならこの時点で謎が解けてしまったかも知れませんので、ギヤを軽くする側は道順だけ載せておきます。

 

結論

実際に親指と人差し指を動かしながら行って頂くと解りやすいのですが、(1-8)の次に入れたいギヤは(2-6)です。そして、(2-8)の次に入れたいギヤは(3-6)です。そして、その時シフトレバーの操作は左親指が1回、右親指が2回となります。

※ギヤを軽くして行く場合はその反対になります。

とにかく、右側のシフトレバーは適当に操作していて良いのですが、左側のシフトレバーを1回押した時は、左シフトレバーを操作した指と同じ指で右側のシフトレバーを2回操作する事でスムーズな走りができるようになると思います。

※これは一般的な3x8段変速のパターンですから、その他の変速数の場合はギヤ比を割り出して、計算してみて下さい。