自転車のタイヤが1か所だけ変形しているのはなぜ?

パンクしている訳ではないけれど自転車のタイヤが1か所だけ変形していて、車輪を回すとユラユラしている。タイヤが変形してしまう理由と対策を解説します。

 

目次

 

はじめに

意外と皆さんタイヤを回して見ないんですよね。

ほとんどの場合、「なんか自転車の後ろがゴトゴトする」と言って来店されます。

違和感を感じた時に、一度自転車から降りてタイヤの空気が入っているか?は確認するのですが、 空気は入っているからパンクではないし、もちろん自転車を走らせている状態で後輪を見続けるの無理ですからね。

もちろん、「やってしまった...」と言う自覚はありません。

何故こんな事になるのか?と言う理由を聞いてもらうと、「そういえば、あの時かも?」と思い出す方が多いです。

まあ、結局タイヤ交換になりますから、予備のタイヤを持ち歩いていない限りその場で完全な修理は出来ないのですが、自転車の後ろの方がゴトゴトする時は、まず自転車から降りて、後ろ車輪を回してみて下さい。

これ以外に、後輪のスポークが折れた時にも似たような症状が起こりますが、 スポークが折れた瞬間に、「バツンッ」と言う音が出る事と、 折れてブラブラになったスポークが他のスポークに当たって「カランカラン」や「カチンカチン」と言う音が出ます。 しかも、スポークが1本折れたぐらいでは、よっぽど敏感な方でないと乗車中に気か付きません。

 

自転車のタイヤの構造

まず、自転車のタイヤの構造を知って下さい。自転車のタイヤはトレッド、ケーシング、ビードで出来ています

トレッドはゴムで出来ているタイヤの表面部分です

ケーシングはトレッドの下に隠れているので見えませんが、コットンやナイロン、ケブラーの繊維でできています。 ゴムの下に布が敷いてあると考えて下さい。

ビードはリム内側に引っかかる部分です。安いタイヤは鉄のワイヤー。高額なタイヤはケブラー繊維でできています。 売っている時に折れ曲がって売っているタイヤはケブラー繊維のビードが使われています。

自転車のタイヤの構造

 

症状

タイヤをジックリ見て頂くと、1か所だけ変に盛りあがっている場所があると思います。

これが回る事でタイヤがユラユラして見え、それがゴトゴトと言う振動になります。

タイヤを見て頂くと1か所だけ変に盛りあがっている場所があると思います

 

タイヤの1か所が膨らむ原因

ケーシングはトレッドの下に隠れているので外からは見えませんが、 トレッドの下に隠れているケーシングが切れている可能性が高いです

トレッドの下に隠れているケーシングが切れている

 

構造の項でトレッドゴムの下に布が敷いてあるとお話させて頂きましたが、空気を多く入れれば入れるほどケーシング(糸)はピンと張り、糸は切れやすくなりますから、 細くて高圧にするタイヤほどこの症状が起こりやすくなります

空気を多く入れれば入れるほどケーシング(糸)はピンと張り、糸は切れやすくなります

 

布が破れるのは想像しにくいのですが、緩く持った糸にカッターをあてた時と、ピンと張った糸にカッターをあてた時の切れ具合を想像して頂くと良いと思います

緩い糸は切れにくく、張った糸は切れやすい

 

段差の衝撃でケーシングが切れてしまう事や、 急ブレーキでタイヤがロックした時に地面とタイヤが擦れた熱で ナイロンのケーシングが切れてしまい、 それをきっかけにタイヤが変形してしまいます。

とくに最近はロードバイクでも殆どディスクブレーキになっています。ブレーキが良く効くのは良い事なのですが、 ママチャリが横から飛び出して来た時に急ブレーキをかけたというような記憶はありませんか?

または、抜重をぜずに車道から歩道へ乗り上げたりしませんでしたか?

後輪にはライダーの体重の殆どが乗りますから、 とくに後輪のケーシングが切れやすいです。

また、走行中は路面との摩擦だけで3~5psi程度空気圧が上がります。 (前輪よりも駆動輪の後輪の方が熱を持ち、空気圧もあがります)

夏場で今日の気温は35度です。なんて日は地面は60度以上になっていたりしますから、なおさらです。

 

対策

原因が分かっても、どのみちタイヤは交換になってしまうのですが、ケーシングが切れてもタイヤのトレッドが切れていない場合は、 空気圧を半分以下に落として低速でゆっくり休み休み走れば押して帰らなくても済むかも知れません。

また、段差と急ブレーキは気を付けて頂いた方が良いと言う事と、 夏場は空気圧を普段より5~10psi程度下げてお乗り頂くのが良いと思います。